(9/10) 「あ、ラナだー」 「ラナ、遊ぼうよ」 「ラナ、聞いてアリがねぇ」 ラナの姿を見つけると子供たちが皆よってくる。ラナは町の子供たちから好かれていた。 「皆、探検に連れて行ってあげようか?」 「え、本当!」 「やったー」 「皆……町の子供たち皆で行くんだよ。小さい子も大きい子が連れて行ってあげるんだよ。一人だけ残すとか仲間はずれは駄目」 「うん、連れてくるね! 待ってて」 「やったー、探検探検」 皆は前から探検に行きたいと言っていたので喜んでいた。すぐに四十七人の子供たちは集まった。まだ歩くことのできない赤ん坊も大きい子が抱いてあげている。 「じゃ、行こうか」 皆は俺が歩き出すとついてくる。大通りを通って山腹の方へ向かう。 「ラナ、ここに何があるの?」 「ただの山腹じゃん」 「つまんないー」 「もう少し待って」 俺がそう言うとすぐに山腹のドアが開いた。子供たちが皆目を輝かせる。俺は二回目だが本当に開いたので少し胸を高鳴らせる。 「ようこそ、僕の楽園へ」 「子供たち連れてきたよ」 「誰? おじちゃん変な格好だね」 「ドアだー」 「皆ここを通るんだ」 皆ぞろぞろとドアの中へと入っていく。誰一人残さず全員。そして俺もドアの中に入ると後ろでドアが閉まり消える。 「……十二年前連れて行った子供たちはどうなったんだ?」 「すぐにわかるよ」 次へ→ ←前へ mainへ