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俺は地下の牢屋に入れられて、どうしようもなかった。母が俺を助けようと何度も抗議をする声が聞こえた。

俺って親不孝ものだよな……

しかし、何で俺を牢屋に閉じ込めたりするんだろうか?

「訳わかんない」
「だろうな」
「!!!」

声をした方を振り返ると笛吹き男が立っていた。俺と同じ牢屋の中。出ることもできないが中に入ることもできない。それなのに笛吹き男は牢屋の中にいる。

「驚いた……何であんたまで牢屋にいるんだよ」
「君を助けにきたのさ。君が捕らえられていたら悲劇が繰り返せないだろ?」
「だから、自分でやれよな……そうしてくれたら俺もこんなことにならなかったのに」
「町長は昔と何も変わっていなかっただろ? 逆に悪化しているようだ。町の英雄となる君に賞金を与えず、代わりに牢屋にぶち込んだ」
「何で牢屋に入れられたかわから……いや、待てよ。もしかして……」
「そう、第二の笛吹き男とされた君は賞金を与えないことに腹立てて何をするかわからないから閉じ込めた」
「そう考えるなら賞金をくれよ」
「町長はケチだからな」
「そうだな……バカだし、考えなしだしな」
「君はこれからどうしたい?」
「まずはこの牢屋から出たいよ。まあ、あんたが助けてくれるみたいだし。助けてくれたら俺はあんたの希望どおり動いてやるよ」

きっとこのままだったら俺はここで死を迎えるに違いない。白骨化してもずっとこの牢屋に閉じ込められる。そんなのは嫌だ。それぐらいなら俺は笛吹き男の共犯者となってやろうじゃないか。

「俺はここから出たら子供たちを連れて山腹に行く。ドアを開けてもらえるか?」
「ああ、開けてやろう。そして君もドアの中にいれてあげよう」
「約束だからな。また置いていくなよ」
「わかっている。全く用心深いやつだな、君は」
「あんたが昔置いていったからだろ」
「はは、そうだったな」
「行動は十二年前と同じ七月二十六日に起こすよ。だからその日に俺をここから出してくれ」
「ああ、最初からそのつもりだ。二日間我慢してここで大人しくしていろよ」
「その間に町長が考え直してくれるといいんだけど、それは絶対無いだろうな…」

笛吹き男は楽しそうに笑って、俺の目の前から消えた。笛吹き男は間違えなく魔法使いだ。

俺は冷たい石の壁に背中を預ける。地下にあるせいだろうか、少し肌寒かった。

「二日間の辛抱だな……」

俺は目を瞑る。地下には地上の音が届かない。静かで心地よかった。地上にたくさんいるはずのネズミも俺のいる牢屋にはいなかった。

笛吹き男が操っているのだろうか?


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