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春佳は何度も私に文句を言おうとした。だけどその度に友達や藤本君が助けてくれた。

だけど、いつもそうとはいかないわけであって、今私は春佳と二人きりだ。


「有香、一度でいいから私の話しを聞いてよ」
「何の話? 藤本君のこと?」
「わかってるでしょ、藤本くんのことだよ」
「私に文句を言われてもしょうがないよ。文句言われても私は藤本君と別れないんだから、何されても絶対に」
「……有香は何で平気で言えるの? 何で平気でいられるのよ……」
「何のことだかわからない」

春佳はきっと頭の中ぐるぐるになってしまっているのだ。私に近づくたびに友達や好きな人に暴言を吐かれて、わけがわからなくなっているのだ。自分のしていることをわからずに。

「有香……ねえ、どうして?」

春佳は私の肩を掴んだ。
怖かった。
怖くて怖くて仕方がなかった。

「いやっ」
「本宮さん!」
「っ……助けて、藤本君」

私は春佳の手を振り払って藤本君に駆け寄った。藤本君は私を落ち着かせるように肩を抱いてくれた。

「笠岡さん……あなたって最低な人だね、本当に」
「私は何もしてないよ」
「は? 何言ってるの? 現に本宮さんが怖がってるじゃん、さっきだって無理やり」
「肩をつかんだだけじゃない」
「こんな怖がっている本宮さんを見て言えるわけ?」
「それは……」
「俺、あんたと半年も付き合ってたなんて信じられねえ。人生の汚点だ」
「汚点って……どうして、私は何もしてないのに」
「聞いたよ、本宮さんから全部。あんたが二股かけていたことも、俺のことカスだって言ってたことも」
「二股……? してないよ! それにそんなこと言ってない」
「言い訳は聞きたくねえんだよ。それに、本宮さんが前に好きだった奴は全部あんたに取られたって」
「は? 何言ってるのそれは……」
「春佳は友達だから我慢してきたの……だけど、藤本君だけは……」
「それはこっちのセリフよ」

春佳はギっと私を睨んだ。

怖い、怖い……


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