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「それよりもこの届けものの差出人は?」
「この状況から推測できない?」
「佐倉と二十本の薔薇?」
「そして今日は何の日か」
「今日は私の誕生日。ついに十代は終わってしまったわけですよ」

そうか、差出人は杉本だ。冗談だと思っていたのに。中学生のときに一緒に見ていた恋愛ドラマ。女の子の二十歳の誕生日に男の子が二十本の薔薇を贈るシーンで私が嘲笑ったことが始まりだ。進藤も贈られればときめくよ、女の子じゃん。杉本がそう言った。杉本が初めて私を女の子扱いした。嬉しかった。その感情が私に杉本への恋心を気がつかせた。進藤の二十歳の誕生日に俺が二十本の薔薇を贈るよ、ときめかせてやろう。そんな冗談みたいな言葉。私は本気にしていなかった。それに私は今日まで忘れていた。

「杉本に伝えておいて。ときめきなんてなかった、って」
「それどころか無反応だった、って言っておくよ。じゃあ、俺は帰るよ」
「佐倉」
「何?」
「杉本の坊主事件はどうして?」
「失恋だよ。どうやら杉本の思い違いだったみたいだけどな」
「そっか……じゃあ、気をつけてね」
「ああ。今度は連絡するから飯でも行こうな」
「うん、バイバイ」


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