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「な、あの時は訊けなかったけど、進藤はなんで髪を切ったんだ?」
「ん? 反抗だよ。杉本は私のことを見ていなかった」
「え、その発言から推測すると当時リアルに失恋してたわけ?」
「あの瞬間じゃない。もう少し前。私が杉本を好きになった瞬間、私の失恋が確定していたんだよ」
「意味わかんないけど」

 長い黒髪、白い肌。それは私を通して杉本は他の人を見ていた。杉本の従姉、六つ年上のきれいなアキ姉。私はアキ姉に憧れて髪を伸ばした。杉本もアキ姉に憧れていた。知っていた、杉本の初恋がアキ姉であること。私たちが高校一年生のとき、アキ姉は結婚した。私の隣で杉本は切なそうに純白のドレスを着たアキ姉を見つめていた。杉本の初めての失恋体験だった。あれからアキ姉の話はしていない。


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