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死んだ彼女からの手紙

「何、してんの?」

 高山は放課後の薄暗い教室で机に向かって何かをしている折原に訊ねた。折原はゆっくりと高山に視線を向ける。折原は質問に答えず高山を凝視する。そして、視線を手元に戻す。高山は返事が貰えると思ってはいなかったので気にせずに自分の席に向かう。

「手紙を書いているの」

 遅れてきた返事に高山は引き出しの中を探っていた手を止め、折原を見る。折原は窓の外を見つめていた。

「手紙を書く人、久しぶりに見た」
「そうかな」

 折原は窓の外を向いたまま答える。窓の向こうには中庭を挟んで隣の校舎があるだけだ。

「最近はメールが主だろ」
「そうだね」

 折原は高山の言葉に短い言葉で返した。高山は折原にクラスの女子の中でも一番落ち着いている印象を持っていた。大人しいとか地味だとかいうのではなく折原はいつでも冷静だった。

「俺、邪魔?」
「別に」
「じゃあ、そっち行ってもいい?」

 折原は応えなかった。高山はそれを否定の意とは捉えずに折原の前の席に座る。折原は何も言わずに高山を見ていた。

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