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第二の笛吹き男
  〜ハーメルンの笛吹き〜


町の子供たちを連れて行った笛吹き男は『ハーメルンの笛吹き』と呼ばれて、語られている。


十二年前、ハーメルンの町から子供たちの姿はなくなった。俺を除いて。笛吹き男は不思議な音色を奏でて子供たちを連れて行った。大人たちの懸命な捜索にも関わらず子供たちは誰一人として見つからなかった。

当時六歳だった俺は笛吹き男に付いて行けば悪い足も治ると言われ、付いて行こうとした。だけど、足が悪くて歩くのも遅かった俺は最後の最後となって目の前でドアが閉ざされた。ドアは笛吹き男や皆を飲み込んで俺だけ入れてもらえなかった。何度その場所に足を運んでもドアなんてない。まるで幻だったかのようだ。いや、幻なんかじゃない。確かに俺はこの目で山腹に開いたドアを見た。笛吹き男の魔法だったのだろうか。

そして俺はただ一人の子供として町に残された。いなくなった子供たちを懸命に捜す町の人の姿、最愛の子供がいなくなって嘆き悲しむ親の姿、変わり果てた町長の姿……いろいろな大人の姿を見てきた。もう二度とあのようなことがあってはいけないと町長は町の一番目立つ建物の石にその物語を刻み、
皆が歩いて行った通りは『ブンゲンローゼンジュトラッセ』と名前を変え、その通りではいっさいの楽器を鳴らしてはいけないことになった。

こんなことが起きてしまったのも、ケチな町長のせいだっただろう。誰もそれを攻められないのは大人たちが正しい笛吹き男ではなく町長に味方してしまったからだ。


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