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 テーブルと携帯電話がぶつかりあって音を立てる。マナーモードにしたままの携帯電話の着信音を久しく聞いていなかった。
 詠次は唸り声を上げる携帯電話を掴むと届いたばかりのメールを開く。目を見開くと慌てて携帯電話からテレビのリモコンに持ち換え、電源をつける。

『――片岡容疑者は今朝五時頃、家の近くの交番に「妹を殺した」と血の着いた衣服を身に着けたまま――』

 詠次はキャスターの言葉を聞かないままテレビの電源を切った。友人から届いたメールは朝香が殺されたというニュースがやっているという内容だった。

 朝香は死んだ。


「神様が告げることは真実」

 神様が告げたら、それは必ず現実になる。変えようのない真実。昨日、詠次の前に現れた神様は告げたのだ。「明日、片岡朝香は死に至る」それが現実になった。
 詠次は動揺していた。動揺していたから朝香に話をしてしまったのだ。けれど朝香が死ぬとは言えなかった。

「……たとえ、死ぬと言っても死なないことにはならなかった」

 詠次は自分に言い聞かせるように呟くとかばんに手に取った。

end


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