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「何が悔しい? 願いを叶えてもらえないことが?」
「そんなんじゃないよ」
「私にはきみの願いは叶えられないよ。私にはきみの幸せがわからないからね」

店の主人は笑いながらそう言った。

「ぼくには幸せを見つけられないのかな? 一生懸命探しても見つからないのかな?」
「今のきみには見つけられないかもしれないね。知ってるかい? 幸せっていうものは探すものじゃないんだよ」

少年は驚いたように店の主人を見る。

「幸せっていうのは探すんじゃなくて、自ら幸せになるものだよ」
「意味がわからないよ」
「そうさ、幸せなんて意味がわからないよ」

店の主人の言葉に少年は眉をひそめる。
その様子を見ると店の主人はまた笑った。

「私が言えることは幸せは誰かに頼んで手に入れるものじゃないよ。きみ自身が手に入れなければ意味ないんだよ」
「ますます意味がわからないよ」
「そうだね、願いを叶えてあげられない代わりに助言をしてあげようか」

店の主人は少年の前に一厘の可愛らしい花を差し出す。

「何?」
「きみが大切と思う相手にあげればいい」

少年は花を受け取ると店を後にした。


願いを叶えてくれる店に行き、手にしたのは何の変哲もない花だけだった。

「おかえりなさい」

家に着くと少年の母親が笑顔で迎えた。

「ただいま」
「お花を取りに行っていたの?」
「……母さんにあげるよ」

少年が母親の前に花を差し出すと、母親はとても優しい顔で笑った。

「ありがとう。嬉しいわ」

少年の心に暖かいものが溢れた。
とても暖かくて言葉には表せない気持ちだった。

「母さん」
「なあに?」
「母さんは幸せ?」

突然の少年の問いに母親は目を丸くするが、すぐに微笑みに変わる。

「幸せよ。あなたがいてくれるだけで、母さんの心は暖かいわ」

少年の心にまた暖かいものが溢れた。
それは限りがなかった。

「母さん、ぼくも幸せだよ」

少年は母親に満面の笑みを向けた。
       

end



*コメント*
2008/12/31作成。
午前4時だし…私、2008年の年末書いてたのか。

しあわせって何なんだろうね。

2010/11/13
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